彗星のごとく現れ、またたく間に音楽シーンの中心に躍り出たアーティスト、imase。
音楽活動開始からわずか1年でメジャーデビューし、代表曲「NIGHT DANCER」は国境を越えて大ヒットしました。
その急成長の裏には、一体どんな秘密が隠されているのでしょうか。
imaseはなぜ売れた・人気なの?

imaseの成功は、単なる偶然や幸運だけではなく、時代の流れを的確に読み解く鋭い感性と、リスナーの心を掴む緻密な戦略があります。
imaseが人気を獲得した理由を、さまざまな角度から深掘りしていきたいと思います。
そもそも本当にimaseは売れた?実績とは
imaseの人気がどれほどのものか、まずは具体的な実績から見ていきましょう。
言葉で説明するよりも、その数字や受賞歴を見れば、人気の規模がリアルに感じられるはずです。
imaseは、音楽活動を始めてわずか1年という異例の速さで2021年12月にメジャーデビューを果たしました。
2022年にリリースされた「NIGHT DANCER」の世界的ヒットで知った人も多かったはず。
この曲は、韓国の大手音楽配信サイト「Melon」でJ-POPとして史上初めてトップ20入りする快挙を成し遂げ、BTSのJUNG KOOKがカバーしたことも後押しとなり、世界中にその名を知らしめました。
期間/項目 | 実績/内容 | 補足 |
---|---|---|
2021年12月 | メジャーデビューを果たしました。 | 音楽活動開始からわずか1年という異例の速さです。 |
2022年 | 「NIGHT DANCER」が世界的に大ヒットしました。 | 韓国MelonチャートでJ-POPとして初のTOP20入りを果たし、Spotifyバイラルチャートでも31カ国にランクインしました。 |
2023年 | 『第65回輝く!日本レコード大賞』優秀作品賞を受賞しました。 | 韓国で開催されたMMA 2023、CCMA 2023にも日本人アーティストとして初出演・初受賞を果たすなど、国内外で活躍の場を広げました。 |
2024年 | 初のアジアツアー『imase 1st Asia Tour “Shiki”』を成功させました。 | 国内ではホールツアー『imase Hall Tour 2024 “Shiki-Sai”』も完遂しています。 |
2025年 | 初の全国ホールツアー開催。 | 日本武道館公演後に長期間の活動休止へ。 |
SNSでの総再生回数は全世界で累計100億回を突破し、その功績から2023年には『第65回輝く!日本レコード大賞』で優秀作品賞を受賞しています。
2024年には初のアジアツアーを成功させるなど、その勢いは国内にとどまりません。これらの実績は、imaseが現代を代表するアーティストの一人であることを明確に示していると言えるでしょう。
国・地域 | 実績 | 補足情報 |
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韓国 | MelonチャートTOP20入り(J-POP初) | 現地でのショーケースや音楽アワードにも出演しました。 |
日本 | レコード大賞 優秀作品賞受賞 | デビューからわずか2年での受賞は異例です。 |
アジア | 1stアジアツアーを成功させる | バンコク、香港、ソウルなど6都市を巡りました。 |
全世界 | SNS累計100億回再生突破 | TikTokでのバイラルヒットが大きなきっかけです。 |
Spotify | 海外で最も再生された国内楽曲4位(2023年) | 藤井風、YOASOBI、米津玄師に次ぐ快挙です。 |
ちなみに武道館ライブがガラガラとの噂や活動休止の背景についてはこちらの記事にまとまっています。

TikTokの特性を最大限に活かした戦略的楽曲制作が時代に合っている
imaseの成功を語る上で、TikTokの存在は欠かせません。
imaseは、このプラットフォームの特性を深く理解し、それを最大限に活用した戦略的な楽曲制作を行っています。
imaseの楽曲制作は、まずサビだけを先行してTikTokに投稿し、リスナーの反応が良かったものをフルバージョンに仕上げていくという独特のスタイルをとっていて、ファンがいない状態でも拡散力のあるTikTokだからこそ有効な手法であり、リスナーの需要をダイレクトに反映できるのです。
また、あえて「音楽経験0の素人が〜」といったキャッチーな言葉を使うことで、視聴者の興味を引きつけ、視聴のハードルを下げる工夫も。
リスナーがダンス動画などで使いやすい(UGCを生みやすい)ような、耳に残りやすく真似しやすい楽曲構成を意識していることも、爆発的な拡散につながった大きな要因なのです。
J-POPと洋楽を融合させた”令和のシティポップ”サウンド

imaseの音楽は、どこか懐かしいのに新しい、独特の魅力を持っています。
そのサウンドは「令和のシティポップ」とも称され、幅広い世代から支持されています。
imaseの音楽的ルーツは、両親の影響で聴いていた松任谷由実さんなど、70〜80年代の日本のシティポップや歌謡曲にあり、心地よいメロディーを基盤に、自身が好んで聴いてきたR&Bやヒップホップといった洋楽の要素を巧みに融合させているのです。
地声と柔らかなファルセットを自在に行き来するボーカルスタイルはimaseの大きな特徴で、これが楽曲に浮遊感と中毒性をもたらしています。
日本語の響きを大切にしながらも、洋楽的なグルーヴを感じさせるサウンドが、国境を越えて受け入れられる理由の一つなのです。
以下のような楽曲も人気ですよね。
曲名 | リリース年/月 | 特徴・補足 |
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NIGHT DANCER | 2022年7月 | imaseを世界に知らしめた代表曲です。韓国の音楽チャート「Melon」でJ-POPとして初めてトップ20入りしました。 |
Have a nice day | 2021年12月 | imaseのメジャーデビュー曲で、TikTokで大人気となった楽曲です。Spotifyのバイラルチャートでも1位を獲得しています。 |
逃避行 | 2022年1月 | 2ndデジタルシングルで、TikTokで再生数2億回を突破した初期のヒット曲です。R&Bとポップスを融合させた独特のサウンドが魅力です。 |
Nagisa | 2023年5月 | 80年代シティポップを彷彿とさせる、爽やかでダンサブルなナンバーです。報道番組『ABEMA Prime』のテーマソングにもなりました。 |
BONSAI | 2023年4月 | サントリーのWEB動画のために書き下ろされた楽曲です。新しい環境に飛び込む人や、人生の新たなステージに進む人に勇気を与える曲として人気です。 |
“凡才”と自称する親近感と、天才的な自己プロデュース能力がやばい
imaseは自身のことを「凡才」だと公言していますが、天才ですよね。笑
謙虚な姿勢が、リスナーに親近感を抱かせ、応援したいという気持ちをかき立てる一因となっています。
「音楽経験ゼロ」「楽器が弾けない」といったエピソードは、imaseをより身近な存在に感じさせますが、その裏で、imaseは「どうすればたくさんの人に聴いてもらえるか」を常に考え、緻密な計算のもとに活動している戦略家でもあるため。
例えば、TikTokの動画では画角を一定にして「imaseの動画だ」と一目でわかるようにするなど、セルフプロデュース能力が非常に高いのです。
この「凡才」という親しみやすいキャラクターと、卓越した「天才」的なプロデュース能力のギャップこそが、imaseの抗いがたい魅力となっているため。
個人的に思うこと
データや戦略の話も興味深いですが、私が個人的にimaseの音楽に惹かれるのは、その圧倒的な「心地よさ」です。
口コミを見ると、あるファンの方が「体調を崩した時、他の音楽はノイズに聞こえたのにimaseだけは聴けた」と語っていたエピソードがありましたが、これには深く共感します。
imaseの楽曲には、まるでそよ風のような軽やかさと、心を優しく撫でるようなナイーブさがあります。
「どうでもいいよな 夜だけど」というフレーズは、現代を生きる私たちの少し気だるくて、でも何かを求めている複雑な心境を、見事に言い当てているように感じます。
個人的には「でもね、たまには」が好きです。上京した時の気持ちを思い出すと言いますか。
あれだけの成功を収めながらも、インタビューなどで見せる自然体で「ゆるゆるしてる」雰囲気も、imaseの魅力だと思います。
その人柄が音楽にもにじみ出ていて、聴いているこちらも肩の力が抜けるような、優しい気持ちになれるのです。
頑張りすぎな毎日に、imaseの音楽は「ラクに登れるエレベーター」のような、素敵な抜け道を教えてくれる。
そんな存在だと私は思います。
活動休止が残念です。
imaseに対する声をなんJ・SNSを中心に独自調査
ネット上ではimaseについてどのような声が上がっているのでしょうか。
なんJ(5ちゃんねる)やX(旧Twitter)などを中心に、リアルな評判を調査しました。
調査の結果、ポジティブな意見が大多数を占め、特にその才能や楽曲、声に対する賞賛が多く見られました。
割合としては、「天才・才能を評価する声」が約35%、「楽曲の中毒性や良さを評価する声」が約30%、「声が好き・癒されるという声」が約20%、「SNS戦略など活動スタイルを評価する声」が約10%、「その他(ライブの歌唱力に関する意見など)」が約5%といった印象です。
向いている人
imaseの音楽は、心地よいサウンドと現代的な感性で、多くのリスナーを魅了します。
以下のような方にはピッタリだと思います。
- 最新のJ-POPやトレンドに敏感な人
- 心地よいチルな音楽でリラックスしたい人
- SNSでの新しい音楽の楽しみ方に興味がある人
- 新しい才能が生まれる瞬間を目撃したい人
- 何かに挑戦したいけれど、なかなか一歩が踏み出せない人
Q&A
ここでは、imaseに関するよくある質問から、少しマニアックな疑問までQ&A形式でお答えします。
- ライブでの撮影はOKですか?
いいえ、公演中の撮影や録画は禁止されています。ライブに参加する際は、一般的なコンサートマナーを守って、純粋に音楽を楽しみましょう。
- 音楽経験が全くなかったというのは本当ですか?
はい、本当です。20歳の時に友人がギターを始めたことに影響を受け、自身も音楽制作を開始しました。それまではDTM(デスクトップミュージック)の知識もなかった状態から独学で学び、約1年でメジャーデビューを果たしたのです。音楽を始める前は、プロを目指すほどのサッカー少年だったそうです。
- ファンが勝手に曲の続きを作って投稿したトラブルがあったって本当?
はい、本当です。imaseがTikTokに投稿した15〜30秒のショート尺の楽曲に対し、ファンが無断で続きの歌詞やメロディーを作成してアップするという出来事がありました。これについて、番組で共演した弁護士は「著作権(編曲権)の侵害にあたる可能性がある」と指摘しています。imase本人も「せめて自分が出してからにしてよ、とは思いますよね」と複雑な心境を語っていました。
- 1stアルバムのタイトル『凡才』には、どんな意味が込められているのですか?
このタイトルには二つの意味が込められています。一つは、「もともと楽器が弾けたり歌が上手かったりしたわけではない”凡才”な自分が、どうしたら皆さんに楽しんでもらえるかを考え抜いて作った曲が詰まっている」という思いです。もう一つは、海外でも親しまれている日本の文化「盆栽」とかけており、国内外問わず多くの人に長く愛される作品になってほしいという願いが込められています。
- 2025年8月に活動休止を発表しましたが、詳しい理由は何ですか?
2025年7月の日本武道館公演後に体調が悪化し、医師から「長期療養が必要」と診断されたためです。所属レコード会社は「本人の体調を最優先として回復に専念させる」と発表しています。imase本人も「これから続いていく人生の為、今はしっかりと休息を取りたい」「歩き出すのはそれからで!」と前向きなコメントを発表しており、復帰に向けた休養であることがうかがえます。