分冊百科やパートワークと呼ばれる形式で販売されている「ディアゴスティーニ」。
音楽や石、歴史にまつわるものなどさまざまなものをテーマに展開していますが、検索結果には「悪質」「ずるい」などのワードもあるようです。

(出典:Google)
ディアゴスティーニが「ずるい」「悪質」などの噂はなぜ
今までに数多くのシリーズを出していて、趣味を極められると人気のディアゴスティーニですが、検索結果には「悪質」「ずるい」などというワードが出てくるようです。
調査すると、次のようなネガティブな声もあるようです。
2回目から高くてずるい?総額が不透明でお金がかかる?
ディアゴスティーニは、パートワーク形式にて出版しています。
パートワーク形式(分冊百科)とは、テーマやジャンルを絞った事柄について記述したものを定期的に分けて刊行し、完成させる方式の出版物のことを言います。
ディアゴスティーニでは単純にパートワーク形式を取っているだけでなく、CDやDVDなどの付録の充実や、毎号の付録を組み立てると1年間を通じて作品ができあがるなどと、分冊百科形式の特徴を活かした非常にユニークな企画力が魅力であるため、多くの人がハマってしまうのです。
しかし、総額がわかりにくく、ネガティブな声が上がってしまうのでしょう。
創刊号が非常に安価(1,000円以下など)に設定されている一方で、2号以降の価格が大幅に上昇するため、全巻を揃えた場合の総額が予想以上に高額になることが多いです。
ちなみにこの価格設定は「アンカリング効果」によるものです。
最初に与えられた情報がその後の意思決定に影響する認知バイアスの一種。
心理学や行動経済学でよく知られた現象のこと。
※今回の場合、最初の価格が安いことで手に取りやすい価格設定で今後も販売されると思い込んでしまう
模型シリーズでは完成までに15~20万円程度かかることが一般的であり、特定のシリーズでは総額が20万円を超える場合もあります。
しかし、これらの総額が事前に明確に提示されることは少なく、消費者が購入を始めた後に初めてその高額さに気づくケースが多いです。
- 「週刊 バック・トゥ・ザ・フューチャー デロリアン」:創刊号が499円(税込)、第2号以降が1,790円(税込)で、全130号を揃えた場合の総額は231,409円
- 「週刊 マイ3Dプリンター」:創刊号が999円(税込)、第2号以降が1,850円(税込)で、全55号の総額は110,907円
- 「週刊 エヴァンゲリオン初号機をつくる」:創刊号が290円(税込)、第2号以降が990円(税込)で、全100号の総額は197,182円
上記を考えると初回費用の50倍&100週間以上かかることもあるため、あらかじめ増額や完成期間を知っていたら初回購入を控える人もいるでしょう。
さらに、デアゴスティーニのシリーズは長期間にわたる購読を前提としており、全巻を揃えなければ完成しない仕組みが多いため、途中で購読をやめるとそれまでの投資が無駄になるという心理的なプレッシャーが消費者にかかります。
そのため、途中で購読を止めるにしても、それまでにかかった費用や完成されない手元の商品(部品)をみると虚しさや怒りを感じる人もいるのでしょう。
打ち切りになる可能性がある?
ディアゴスティーニは定期的に分けて刊行するパートワーク形式を取っていることから、「廃刊になったらどうしよう」という心配の声も少なくありません。
ディアゴスティーニの商品は基本的に打ち切りや途中で休刊になるということはないので、安心してください。
しかし、『トランスフォーマー オプティマスプライムを作る』や『隔週刊タクシー・オブ・ザ・ワールドタクシー』ように30号予定が7号で打ち切られるケースも稀にあるでしょう。
そういった場合には買取業者に問い合わせたり、ヤフオクやメルカリで販売したり、捨てずにそのまま飾っておくというのも方法の一つです。
このように、ディアゴスティーニにはさまざまな声が寄せられていました。
「悪質」「ずるい」という噂が浮上しているようですが、実際には悪質な出版社ではなく、大人も子どもも楽しめる魅力の詰まった出版社であることが分かりました。
ここからはそんなディアゴスティーニの良い口コミを紹介します。
ディアゴスティーニの良い口コミ1:コンプリートするのが楽しい
ディアゴスティーニは、地図の普及を目的に作られた会社でしたが、パートワーク形式の出版に成功を収めると、徐々に出版形態をパートワーク形式に変えていき、趣味・実益ジャンルでのパートワーク形式の解説書などを発刊するようになりました。
ちなみに、パートワーク形式の起源はディアゴスティーであると言われています。
その特徴は単純にパートワーク形式を取っているだけでなく、CDやDVDなどの付録の充実や、毎号の付録を組み立てると一年間を通して一つの作品ができあがるため、たくさんの人がコンプリートを目指して毎号購買しています。
ディアゴスティーニはさまざまなユニークな企画を提案している点も魅力の一つであり、映画「新ゴジラ」が有名になった年は「週刊ゴジラを作る」がヒットするなど、社会の流行に合わせた出版も大きな特徴です。
また、近頃では「大人買い特集」と呼ばれる特殊な販売形式を行っており、過去のヒット作品である「ポルシェ」、「サンダーバード」などの分冊百科を数量限定ではありますが、全号セットで販売するなどといった企画も行い、大人の購読意欲がさらにくすぐられることとなりました。
ディアゴスティーニの付録は幅広く、どれも子ども心をくすぐられるものばかりです。
収集癖がある人はもちろんですが、趣味がなくて困っているという人も、ディアゴスティーニの魅力に惹きこまれていくことでしょう。
ディアゴスティーニの良い口コミ2:幅広く趣味の世界を網羅している
ディアゴスティーニは、毎号の付録を揃えてコレクションを作るというユニークな雑誌です。
鉄道関連では「鉄道ザ・プロジェクト」、「鉄道ザ・ラストラン」、「鉄道データファイル プラス」などがあり、100号以上とボリュームのあるシリーズもあります。
ディアゴスティーニは、鉄道や車、飛行機といった乗り物系シリーズから、映画やドラマ、そして音楽関連のDVDやCDコレクション、手芸のハンドメイドやキャラクター系のシリーズまで、あらゆる趣味を網羅していると言っても過言ではありません。
そのため、趣味がなく、何か興味が湧くものを探したいという人でもディアゴスティーニのシリーズを見れば「これは」と思えるものに出会える可能性が高いでしょう。
実際に、無趣味だった人が、ディアゴスティーニと出会ったことでコレクター欲が湧いた人もいるようなので、ディアゴスティーニは大人の子ども心をくすぐるのかもしれませんね。
さらに、毎号続けて購入することで、そのテーマについて詳しくなることができるのも、ディアゴスティーニの魅力です。
大人になると、子どものように定期的なレッスンを受けたりコツコツと趣味に時間を費やすことは難しくなり、そういった大人に憧れてもなかなか続かないものですよね。
ですが、ディアゴスティーニは毎月購入するだけでなんとなく続けることができ、さらに豆知識も得られます。
その「ゆるさ」が、多くの人に支持されているのかもしれませんね。
ディアゴスティーニについておさらい
ディアゴスティーニとは、イタリアのパートワーク方式の分冊百科の出版を行っている出版社です。
一つのテーマに特化した内容で、週間か隔週刊で雑誌を販売しており、その内容は、専門知識やハウツーなどファンにはたまらない内容となっています。
1号ごとはお求めやすく、全て揃えれば百科事典並みの専門シリーズとなっているため、自分の興味深いシリーズを探すのも楽しみの一つです。
また、出版元はイタリアのディアゴスティーニ社の日本法人が出しています。
ディアゴスティーニはどんな人に向いている?
今回はディアゴスティーニに対する声を調査しました。
ディアゴスティーニはイタリアに本社のある雑誌出版社であり、毎号購買して、コレクションを揃えたり模型を完成させたりする、というスタイルです。
ディアゴスティーニが向いている人は、次の通りです。
ディアゴスティーニはコレクター欲のある人や、一気に模型を買って組み立てる時間はないけれど、少しずつチャレンジしたいという人には、最適な雑誌です。
鉄道模型などの乗り物系シリーズや映画やドラマなどのDVDコレクション、手芸のハンドメイドやキャラクター系などと幅広いジャンルを取り扱っているので、無趣味な人も興味が湧くものに出会えることでしょう。