『DELTARUNE』は、インディーゲームとして異例の注目度を誇るRPG。
前作『UNDERTALE』の影響を受けつつも、全く異なる物語と舞台を描いた続編のような位置づけとなっています。
本記事では、なぜチャプター1と2が無料で提供されているのか調査・考察していきます。
デルタルーンはなぜ一部無料?理由を調査・考察

(出典:DELTARUNE)
『DELTARUNE』がチャプター1と2を無料で配信している背景(体験版として)には、複数の戦略的な要因が存在しているようです。
単なるプロモーションではなく、ゲームの構造や開発体制、ユーザー層の広がりを見据えた判断であると考えられます。
無料理由1:新規ユーザー獲得のため
最初に挙げられる理由は、おそらく新しいプレイヤー層の獲得を目的としている点です。
『UNDERTALE』(2015年9月15日リリース)は世界中で高評価を受け、インディーゲームの代表格として知られる作品となりました。
その後継的存在である『DELTARUNE』ですが、前作を知らない人にとってはやや敷居が高いとも受け取られかねません。
チャプター1を無料にすることで、ゲームに触れたことがない層にも気軽に試してもらえる構造が設けられました。
ピクセルアートや個性的なストーリーに興味はあるものの、購入には慎重な層にもアプローチできたのではないでしょうか。
導入として適している仕掛けです。
また、『DELTARUNE』は『UNDERTALE』とは異なる世界を舞台にしているため、前作の知識がなくても理解できる構成となっており、導入のハードルが低くなっているのも特徴です。
無料理由2:競合ゲームと差をつけるため
インディーゲームの質が年々高まっている現在、ユーザーはより慎重に作品を選ぶ傾向があります。
その中で無料という大胆な選択をすることにより、他タイトルとの差別化を明確に打ち出すことが可能となります。
実際、チャプター1が配信された2018年当時はSNS上でも大きな話題となり、
上記のようなと口コミが多く見られました。
このような声が、作品の魅力を広げる効果を発揮し、コミュニティ形成にもつながったと思われます。
もしチャプター1から有料であれば、比較的辛口な評価が集まる可能性もあったため、無料公開によって寛容な評価が得られた側面もあるのではないでしょうか。
無料理由3:ユーザーの反応を元にした開発調整
『DELTARUNE』はトビー・フォックス氏によって開発されたゲームです。
チャプターごとの分割制作という形式をとっており、完成まで数年単位を要する構成となっています。
初期段階であるチャプター1や2を無料で公開し、プレイヤーの反応を収集することで、以降の開発方針を調整できるというメリットがあると考えられます。
本作や『UNDERTALE』の生みの親でもある作者のトビー・フォックス氏は「ふつう、こういうゲームが無料で配信されるなんてことは、まずあり得ません」と話しており、無料での提供は異例のことでした。
おそらく開発規模や完成時期が不確定だったため、まずはデモとしてリリースし、プレイヤーの反応を見ながら開発を進める意図もあった可能性が考えられます。
購入すれば今後追加されるチャプターは無料!

(出典:DELTARUNE)
今後も新たなチャプターが配信予定ですが、3,980円で本作を購入すれば以降のチャプターは無料で追加される形(ダウンロード)となっています。
体験版を試して面白かったら購入するようにしましょう!
開発が続く限り、新チャプターを楽しめるのでかなりお得ですね。
体験版の無料理由のところでもお伝えしましたが、全体的にプレイや購入のハードルを下げている感じがしますし、新規プレイヤーを獲得したい狙いを感じます。
デルタルーンは一部無料!面白くない?アンダーテールをやってない状態でも楽しめる?
『DELTARUNE』に対して、「期待していたほどではなかった」といった感想も一定数見られるようです。
その一方で、「新鮮で感動した」「UNDERTALE未プレイでも大丈夫だった」との声も存在しており、評価が分かれるようです。
デルタルーンは面白くない?つまらない?
「面白くない」と感じる層の意見には、前作『UNDERTALE』の鮮烈な印象に引きずられている可能性があります。
「誰も死ななくていいRPG」というコピーや、プレイヤーの選択がストーリーを変化させる仕掛けに驚かされた経験が、過度な期待を生む要因となったのかもしれません。
以下のような声もありますね。
- 戦闘や難易度が単調で物足りない
- ストーリー展開が退屈、または分かりにくい
- グラフィックや音楽が古臭い、または単調
- RPG的なやり込み要素が少ない など
ただし『DELTARUNE』は、より重厚なストーリーとキャラクターの心理描写に重きを置いた作品。
チャプター2ではノエルやバードリーといった人物の内面に深く迫るシーンが多く、特にバードリーの優越感の裏に潜む孤独や、ノエルの意思表示の変化は見逃せない部分です。
また、スノーグレイブルートという裏ルートでは、プレイヤーの選択によりストーリーが大きく分岐し、新たな展開が待ち受けています。この仕掛けが、周回プレイへの動機づけとなっているのです。
一部SNSの声では、 ・「ノエルが切なすぎて泣いた」 ・「バードリーの描写が胸に刺さった」 ・「スノーグレイブが衝撃的すぎる」 といった感想も投稿されています。
このように、物語の深さを重視するプレイヤーにとっては、大きな魅力があるタイトルではないでしょうか。
前作アンダーテールをやってない状態でも楽しめる?どんな人に向いている?
『DELTARUNE』はアナグラム的なタイトルから前作『UNDERTALE』との関連を連想させますが、世界観や登場人物、ストーリーは明確に区別されていますので、『UNDERTALE』を未プレイでも支障はありません。
チャプター1冒頭でのプレイヤー作成シーンにおいて、「この世界では誰も自分が誰であるかを選ぶことはできない」というメッセージがあります。
『UNDERTALE』の世界を知っていて、主人公がキャラへと変貌したことを暗示していたり、『UNDERTALE』のキャラクターも何人か登場するのですが、時系列など詳細は不明で別に前作未経験のユーザーでもストレスなくスタートできます。
また、スージィとランサーの掛け合いに代表されるようなユーモアも健在です。
ランサーが「サルサは最高だぞ!」と唐突に語り出すシーンは、見た目に反して優しさを感じさせる描写となっており、ゲームの温かみを演出しています。
ちなみにキャラクターについて振り返ります。
名前 | 特徴 |
---|---|
クリス(Kris) | 『DELTARUNE』の主人公で性別不明のニンゲン。茶髪で肌は黄色、黄緑の服と茶ズボン。闇の世界では髪が紺、肌が水色に変化し、鎧とスカーフを身につける。寡黙だが選択肢によっては喋る。前髪が長く目元が暗い。トリエルの養子でチョコ好き。悪戯好きな性格もある。アルフィーの授業でスージィとペアを組み、倉庫で闇の世界へ落ちる。アズリエルが義兄。 |
スージィ(Susie) | クラスの不良で女性。チョークを食べていた張本人。紫の肌にボサボサの茶髪。白シャツにジャケット、ジーンズ姿。闇の世界では肌が赤紫、髪は葡萄色に変化。見た目に反し優しい面もあり、終盤には目が見える。パズルは苦手でクリスに任せがち。 |
ラルセイ(Ralsei) | 闇の世界の「自称」王子。白い体毛に緑のフード、眼鏡、ピンクのマフラー姿。温厚で心優しく、戦闘ではサポートに長ける。献身的で自己犠牲的な面も見せる。物語終盤で本来の姿が明かされる。 |
ノエル(Noelle) | クリスの幼馴染でスージィに好意があるトナカイの少女。チェックベストにスカートを着用。性格は優しく成績優秀。母親とは仲が良くない。闇の世界では天使のような衣装に。押しには弱いが、時に自分の意志をはっきり示す。 |
バードリー(Berdly) | 青い鳥の姿で、クリスのクラスメイト。自尊心が高く見下すような言動を取るが、過去の反動によるもの。ノエルの助けで成績を維持。ギガクイーン戦で仲間を呼ぶなど、仲間思いな一面も。闇の世界では鎧に斧、IQスカウターを装着。名は「ハルバード」。 |
キャラクター重視のRPGが好きな人、あるいはシナリオに奥行きを求める人にはとても合うゲーム。
戦闘面でも攻撃回避がシューティング風となっており、既存のRPGとは異なる楽しさがありますよね。
プレイ時間もチャプター1は2〜3時間、チャプター2は4〜5時間程度で、短編ながらも凝縮された体験ができるのです。
『DELTARUNE』は、多くの工夫が詰まったRPGとして、今後の展開にも期待が集まるタイトル。
まずは無料のチャプターから触れてみるのが良い選択です。
無料なのでぜひプレイしてみてください。面白いので絶対後悔しないです。笑
最後に概要をまとめて終わりにします!
項目 | 詳細 |
---|---|
タイトル | DELTARUNE(デルタルーン) |
ジャンル | ロールプレイングゲーム(インディー) |
対応機種 | Windows、macOS、Nintendo Switch、Nintendo Switch 2、PlayStation 4、PlayStation 5 |
開発・発売元 | 開発:トビー・フォックス 発売:ハチノヨン(日本) |
主要スタッフ | デザイン・音楽:トビー・フォックス アート:テミー・チャン、Kanotynes |
プレイ人数 | 1人 |
配信形態 | PC:ダウンロード コンソール:各ストアにて配信 |
リリース日 | チャプター1:2018年10月31日(PC) 2019年2月28日(Switch/PS4) チャプター2:2021年9月18日(PC) 2021年9月24日(Switch/PS4) チャプター3・4:2025年6月5日(全機種) |
対象年齢 | CERO:B(12歳以上) ESRB:T(13歳以上) PEGI:12 |
使用エンジン | GameMaker Studio 2 |
対応言語 | 英語、日本語 |
特徴的な要素 | 見下ろし型RPG、敵を避けられるフィールド表示、選択次第でルート分岐、ユニークな戦闘とユーモア、感情を揺さぶる音楽 |
UNDERTALEとの関係 | タイトルはアナグラム関係。物語は別世界を舞台にしているが、関連性の示唆もある。 |
評価 | 音楽やストーリー、ユーモア、アートに高評価。『UNDERTALE』との比較では好意的・否定的両面の意見がある。 |