「佐川急便から荷物のお届け通知が来たけど、何も頼んだ覚えがない…」「送り主が『サンレート株式会社』という知らない会社だった…」そんな経験から、もしかしてこれって悪質な送り付け詐欺なのでは?と不安に感じている方が一定数いるようです。

(出典:Google)
代引きでなくても受け取りを拒否した方が良いのか、どう対応すればいいのか分からず、困ってしまいますよね。
本記事では、謎の多い「サンレート株式会社」の正体と、身に覚えのない荷物が届く理由について、様々な角度から徹底的に調査・解説していきます。
サンレート株式会社から頼んでない荷物?偽物会社が送りつけ?

ネットの口コミやSNSを見ていると、「サンレート株式会社」という送り主から、注文した覚えのない荷物が届いた、または不在票が入っていたという声が見受けられます。
これは一体どういうことなのでしょうか。
多くの人が「送り付け詐欺」を疑ってしまうのも無理はない状況だと思いますが、そうでもないようです。
知り合いがプレゼントとして送った?

身に覚えのない荷物が届いた時に、まず最初に考えたいのが、家族や友人、恋人からのサプライズプレゼントである可能性があり、あなたを喜ばせようとして、内緒で商品を注文し、自宅に配送手続きをしてくれたのかもしれません。
最近のネット通販では、こうしたギフト配送がとても簡単に行えるようになっているのです。
例えば、楽天市場やYahoo!ショッピングなどの大手ECモールでは、注文者が商品の届け先を自由に指定できる「ギフト配送」という便利なサービスがあり、このサービスを利用すると、注文者(お金を払った人)と受取人(荷物を受け取る人)を別々に設定できます。

この時、配送伝票に記載される「依頼主(送り主)」の欄には、多くの場合、商品を発送した店舗名が記載されるのです。
つまり、友人があなたの誕生日プレゼントを「サンレート販売」という楽天のショップで購入し、あなたの住所へ直送するよう手配した場合、あなたの元に届く荷物の伝票には、送り主として友人の名前ではなく「サンレート株式会社」と記載されることがあるのです。
これでは、受け取った側が「知らない会社から荷物が来た」と驚いてしまうのも当然ですよね。

実際に荷物を受け取る前に、まずは慌てずに、ご家族や最近連絡を取った友人に「何かプレゼントを送ってくれたりしなかった?」と確認してみるのが一番確実な方法だと思います。
もし誰も心当たりがない場合は、次の可能性を考えていく必要がありますが、せっかくのサプライズプレゼントを「怪しい荷物」と勘違いして受け取り拒否してしまっては、お互いに悲しい気持ちになってしまいますからね。
| 確認すべきポイント | 詳細 | 豆知識・注意点 |
|---|---|---|
| 宛名の確認 | 荷物の伝票に書かれている名前と住所が、間違いなく自分のものであるかを確認します。 | 家族宛ての荷物である可能性も考えられるので、同居している人がいる場合は一緒に確認すると良いでしょう。 |
| 家族・知人への連絡 | プレゼントや、誰かが代理で購入したものがないか、周りの人に聞いてみましょう。 | サプライズの可能性もあるので、「もしかして…?」と優しく尋ねてみるのがおすすめです。 |
| 支払い方法の確認 | 荷物が「代金引換(代引き)」になっていないかを確認します。 | もし代引きになっていたら、自分が注文していない限り、支払わずに受け取りを拒否するのが安全です。 |
| 送り主の情報を調べる | 伝票に記載されている「サンレート株式会社」について、一度ネットで検索してみます。 | どんな会社かを知ることで、少し落ち着いて対応できるかもしれません。ただし、偽サイトには注意が必要です。 |
注文した会社の仕入れ先だった?

家族や知人からのプレゼントでもない。そうなると、いよいよ送り付け詐欺の可能性が濃厚になってくるように思えますが、「あなたが過去に注文した商品が、忘れた頃に届いた」というケースが実は少なくありません。
「え?でも私が注文したのは〇〇っていうお店で、サンレートなんて会社じゃないけど…」と思うかもしれません。ここに、現代のネット通販の少し複雑な仕組みが関係しているのです。
SNSの口コミを調べてみると、「サンレートから荷物が届いて驚いたけど、よくよく調べたら自分が注文した商品だった」という報告が実際にありました。
この方は、あるネットショップで商品を注文したものの、それが「入荷待ち」の商品だったため、注文したこと自体を忘れてしまっていたそうです。
そして、その商品を仕入れて購入者の元へ直接発送したのが「サンレート株式会社」だった、というわけです。
このような販売形態は「無在庫販売」や「ドロップシッピング」と呼ばれていて、販売店(あなたが注文したお店)は自社で商品の在庫を持たず、注文が入ってからメーカーや卸売業者(この場合、サンレート株式会社)に発注し、そこから直接購入者へ商品を発送してもらうのです。

この方法だと、販売店は在庫を抱えるリスクなく商品を販売できるというメリットがありますが、購入者側からすると、いくつか混乱する点が出てきます。
まず、注文したお店と、実際に商品を発送してくる会社が違うため、「誰から届いた荷物なの?」と戸惑うことになりますし、取り寄せ商品や海外からの輸入品の場合、注文してから手元に届くまで数週間、場合によっては1ヶ月以上かかることも珍しくありません。
そうなると、購入したこと自体をすっかり忘れてしまい、突然届いた荷物を「身に覚えのないもの」と感じてしまうのです。

メルカリShopsのような個人が出店するプラットフォームでも、同様のケースが報告されていて、出品者が注文を受けてから、楽天の「サンレート販売」などで商品を購入し、届け先を購入者の住所に設定して直送させている可能性があるのです。
この場合も、あなたの元に届く荷物の依頼主は「サンレート株式会社」となります。
もし心当たりがない荷物が届いたら、まずはご自身のメールや、利用したECサイトの購入履歴を遡って、発送待ちになっている商品がないか、じっくり確認してみることをお勧めします。
| 用語 | 仕組みの解説 | 消費者が注意すべき点 |
|---|---|---|
| 無在庫販売 | 販売者が手元に在庫を持たず、注文が入ってから仕入れ先に発注する販売方法のことです。 | 発送までに時間がかかることが多く、注文したことを忘れがちになります。発送元が販売店と異なる場合があります。 |
| ドロップシッピング | 無在庫販売の一種で、仕入れ先から購入者へ商品を直接発送してもらう仕組みを指します。 | 伝票の依頼主が、自分が注文したショップ名ではなく、仕入れ先の会社名(例:サンレート株式会社)になっていることがあります。 |
| クロスボーダーEC | 国境を越えて行われる電子商取引のことです。海外の製品を日本のサイトで購入する場合などがこれにあたります。 | 海外からの発送は国内配送よりさらに時間がかかります。また、サンレート株式会社は貿易事業も行っているため、この形態に関わっている可能性があります。 |
| OEM事業 | 他社ブランドの製品を製造することです。サンレート株式会社はOEM事業も手掛けています。 | あなたが購入したA社のオリジナル商品が、実はサンレート株式会社によって製造・発送されている、という可能性も考えられます。 |
偽会社が存在するって噂は嘘?

まず、大前提として、ECサイトを運営する「サンレート株式会社」は、法人番号(6010401134596)も登録されている実在の企業で、2017年10月に設立され、東京都台東区に本社を構えています。
公式ウェブサイトによれば、家庭用家電やアウトドア用品などを扱う貿易事業、物流業、OEM事業などを展開している会社です。楽天市場やYahoo!ショッピング、au PAYマーケットなど、複数の大手ECモールに「サンレート販売」や「サンレート通販」といった名前で出店しています。
つまり、「サンレート株式会社」という通販事業者が存在するのは事実なのです。
しかし、問題なのは、この実在する会社の名前を悪用したり、偶然名前が同じだったりする、別の存在が確認されていることです。

(出典:サンレート株式会社)
第一に、サンレート株式会社自身が、自社のウェブサイトで「当社サンレート株式会社の名前を利用して口座売買及び投資詐欺に関する犯罪をするグループがあり、ご注意ください」という注意喚起を行っています。
これは、実在するサンレート株式会社とは全く無関係の詐欺グループが、会社の知名度を悪用して犯罪行為を行っていることを示唆しています。

第二に、「株式会社サンレート」を名乗る闇金融業者から、融資案内の迷惑FAXが送られてくるという口コミ情報もあります。
これも、通販事業者であるサンレート株式会社とは別の組織である可能性が極めて高いです。
